opuscula
800 cherries
- 2000/9/21
- extra
目の前に紡ぎだされる物語と映像に身をまかせてみよう。
この姿勢、この魅力は、年月の流れとは関係のない別の世界に生まれたかのよう。言葉のない音世界・・・こまごました楽器、素敵なアイデアをゲストに迎え、さらなる“追求”と“回帰”へと向かっていった実験的な意欲作と言える3rdアルバム。
- tulipa ( asamoya )
- le papillon et la fleur ( lucky butterfly )
- winter calling ( once again, alone )
- hoshi wa kagayaku ( aki wa nazomeku )
- morning walk ( vs. evening walk )
- natsu no shizuku ( senkohanabi potori )
- sor op.6 [cover of Fernando Sor’s tune]
Total: approx.20mins
札幌在住のマルフジマナミ(vo, g, こまごました楽器, 他)、タカハシマサユキ(g, b, 機械操作, 他)の2人から成る800 cherries。彼らがミニ・アルバム「opuscula」を9月21日にリリース、チープなアコースティック楽器を中心にしながら、マルフジのスキャット(ハミング?)がいい感じで絡んで不思議な世界を作り出している。ネオアコ、ギタポ好き、ウィスパース・マニアにお勧めと言えるだろう。また、バロック風のア・カペラ多重録音ものや音響風なエピローグまで本作には収録されているのだが、どこかほのぼのしているのもおかしい。 (Sound & Recording Magazine 2000.10)
チェリーズ久々の新作はインストゥルメンタルを基本とした7曲入りの作品集。ある意味実験的でありつつも、いつもの線の細い繊細な音作りはガラス細工の透明の光の様。そして鼓動の音のように神聖であたたかい音の欠片は見をまかせたくなる安心感と懐かしさに満ちている。それに反射する様々な音は色とりどりに輝き、目を閉じるとまるで何処か異世界の森の中を彷徨っているような風景を広げてくれる。木々の間から覗く木漏れ曜のように淡いメロディーは聴くごとにいつも新しいストーリーを見せてくれる。周りの空気に溶け込み、時間軸までもゆっくりと狂わせてしまうサウンドはいつも心を癒してくれる。いわゆる“歌”というものでの表現ではなく、あくまでサウンドとメロディーで作られる世界はリスナーのイマジネーションをさらに膨らませていく。そう、これは自分自身のサウンドトラックなのかもしれない。曲が進むにつれ表情を変えていくサウンドと目の前に広がっていく静かな映像。きっとそこから始まる物語はあなた次第。 (Cookie Scene 2000.9 柴田勝也)