three strikes again
ねじれた耽美主義ポップ・サウンド!
GloptinのスタジオFlange Houseでのバンド一発録音による3rdアルバム。部屋鳴りを生かした温かみのあるサウンドがライブ・バンドとしての側面を余すところなく捉えている。ビデオ・クリップを1曲収録。歌詞カード、Ashtray BoyのRandall LeeとApartment Starの中尾紘一郎によるライナー・ノート付き。
- PLAY CATCH
- BADLY DONE
- CRUSH THE CAN
- RUNNING
- EEL
- WAITING FOR A FRIEND
- MY GIRLFRIEND
- DRIP
- DOGGY MAN
- DULL THURSDAY
Total: approx.28mins
僕が最初に、ミチオ、シンタロウ、そしてミヨコに会ったのは、2000年に行われた、Smileyのオーストラリアツアーの時だった。実を言うと、僕の故郷、メルボルンでのライブを観るまで、Smileyというバンドに関して、僕は名前すら聞いたことが無かった。でも、そのライブが終る頃にはすっかり彼らに魅了されていたんだ。クールな佇まい、そして音を持ったバンドだった。ミヨコがドラムセットを前にすっと背を伸ばして座る様、そしてその演奏はとても凛としていた。彼女が時折入れるコーラスや、メインでヴォーカルをとった日本の歌謡曲も、すごく僕好みだった。シンタロウの、親しみやすく、動きのあるベースラインは初期のビートルズを彷彿とさせ、ステージ上での彼は、控えめでありながらも堂々としていて、なんとも魅力的である。そして、Smileyで曲作り、及びギターを担当しているミチオ・・・僕は彼の歌い方が本当に好きだ。彼のちょっと高めな声、それから時々キーを外すところがまた、彼自身の曲をいっそう雰囲気のあるものにしている。ミチオは日々の事柄、電車に間に合ったことだとか、寝過ごしたことだとかについて歌っている。最近では、野球に関する歌が多いようだ。この素朴さこそが、最も僕を惹きつけて止まないSmileyの魅力なのだろう。彼らを初めて観たメルボルンでのライブ以来、僕らはずっと交流を続けている。Smileyと僕のバンド、Sleepy Townshipとでスプリットシングルを作ったり、僕が東京でシンタロウやミチオと一緒にライブをしたり、といった具合にね。僕は本当に彼らが創る音楽が好きだし尊敬すらしている。今回のアルバム「three strikes again」は、新鮮で、開放的で、かつ温かみに溢れている・・・。つまり、Smileyの音楽は、いつでも僕を朗らかな気持ちにしてくれる。 (Guy Blackman/Sleepy Township from Australia)
オーストラリア、ニュージーランドのインディー・バンドって、日本ではイマイチ盛り上がらないけれど、英米のその筋では結構根強い支持を集めていたりします。昨年スーパーチャンクのマージがクリーンの新作をリリースしていたり・・・。そんな豪州バンドとの共通項を感じさせるスマイリーのアルバム、いいですよ!「スリー・ストライクス・アゲイン」ってタイトルから連想されるのは、当然・・・。16年間下位に甘んじている弱小チームのファンであるがゆえに、テレビの野球中継を見ながら、またビールの缶を握りつぶす・・・。そんな歌詞も素晴らしい! いやあ、もうすぐ夏ですねえ! (Cookie Scene 2002.6 伊藤英嗣)