unaneelmi
Gypsophile
- 1999/7/1
- extra
哲学では割り切れない、そう、愛は深く心に響いてくる。
フランス訛りの英語、中性的なヴォーカル、ぎこちないボッサ・・・エキセントリックで繊細なヌーベル・シャンソン。Guillaume Belhommeソロ・ユニットとして Watoo Watooのスタジオで録音された手作り感あふれる3rdアルバム。ジャケットはデジパック仕様。本人によるライナーノーツ、対訳付き。
- besame
- you drive me so
- the day our tears turned into rain
- where
- los misterios y ella
- matiurdshi
- on this girl, I’m still gone
- the voice-over
- lament of 2 ex-lovers
- I’m away
Total: approx.28mins
好きな彼女のことを想いつつ部屋の中でひとりアコギを爪弾きながらボソボソ歌う物静かな宅録フランス青年が目に浮かぶ。なんたって“かすみ草”なんてプロジェクト名をつけ、センチメンタルかつ繊細なメロディを奏で、フランス文学とゲンズブールと美意識のあるポップ・ミュージックを好み、囁くように歌い、けだるいボッサやシャンソンがハマる男だぞ、かなりのロマンチストだろう。本作は所々でリズム・ボックス、アナログ・シンセを使ってはいるが、音作りのメインはアコギ。もう少し電子音寄りになったらベン・ワット+ジミ・テナー状態かしら。しょぼい雰囲気にホッ。 (What’s In? Es 1999.8根田実聡)
意外と知られていないのかもしれないけど、フランスには60年代からいわゆる“フレンチ”とは持てはやされない弾き語りラインが実は根強い。カトリーヌなんかもそのライン。そしてこのジプソフィルも。音ひとつひとつ、歌の言葉・響きに繊細なものが宿る。こういう息遣いの感じられる音は、できればひとりで静かに聴きたい。ボサノバ的なものがあったりするけど、もっと個人的な内面から鳴っている音だ。 (Marquee 1999.6)